看護師が転職をめんどくさいと感じる理由は？
現状維持を選ぶリスクや転職するまでの流れを解説 現状維持を選ぶリスクや 転職するまでの流れを解説

看護師が転職活動を「めんどくさい」と思う理由

看護師が転職活動を「めんどくさい」「億劫」と感じる理由は大きく分けて4つあります。

書類作成の負担が大きい

転職活動では履歴書や職務経歴書といった応募書類の提出を求められます。学歴や職務経歴だけではなく、具体的な業務経験、これまでの実績、志望動機、自己PRなど、さまざまな項目を記入する必要があります。特に志望動機や自己PRについては「そもそも何を書けば良いか分からない」と悩む方も多く、最初の段階でつまずくケースも珍しくありません。

このように、書類を準備する負担が大きいことが、転職活動をめんどくさいと思う原因の一つになっているようです。

求人探しや情報集めの時間が取れない

多忙な毎日を送る看護師にとって、数ある求人の中から自分の希望に合ったものを見つけたり、志望先の情報を集めたりする時間を取るのは簡単なことではありません。

特に看護師は社会的なニーズが高いため、求人数も多く、志望先の絞り込みには多くの手間と時間がかかります。仕事から帰宅して、くたくたに疲れた状態で情報を集めるのはどうしても億劫になりやすく、「めんどくさいからまた今度にしよう」と後回しにする方も多いようです。

面接対策やスケジュール調整が難しい

面接を受ける際には、基本的なマナーを守ることや、志望先からの質問を想定した受け答えを準備すること、相手に興味を持ってもらえるような自己PRの方法を考えることなど、さまざまな対策が必要です。

特に初めて転職する方は、「前職を辞めた理由をどう説明すれば良いか分からない」「自分のスキルや実績をうまくアピールできる自信がない」といった悩みを抱えやすく、面接対策そのものがストレスの原因になることもあります。

また、面接を受けるためには仕事を休んだり早退したりして時間を作る必要がありますが、忙しい毎日を送っているとなかなか休みを取るのが難しいという問題もあります。

このような面接に関わるさまざまな問題を考えると、つい二の足を踏んでしまう方も少なくないでしょう。

そもそも何から手をつけて良いか分からない

初めて転職する方は、そもそも何から手をつければ良いか分からず、最初の段階で悩んでしまうことが多いです。

転職活動では、これまでの実績や習得したスキル、今後のキャリア目標、前職を辞めた理由などが特に重視されます。しかし、新卒の就職活動ではこれらの点はあまり重視されないため、「どのようにキャリアの棚卸しをすれば良いか分からない」「転職先でのキャリア形成について考えがまとまらない」といった不安を抱く方も多いようです。

勝手が分からないことを一から調べるのは手間がかかるため、「めんどくさい」「やっぱりやめておこう」と感じて、転職への意欲が低下する場合もあります。

看護師が転職を諦めて現状維持を選ぶ場合のリスク

さまざまな「めんどくさい」を理由に、転職を諦めて現状維持を選ぶ看護師は多くいます。しかし、現状に不満があるにもかかわらず転職を先延ばしすると、以下のようなリスクが生じる可能性があります。

心身の不調が悪化するリスク

現在の職場で抱えている問題が原因で体や心にまで影響が及んでいる場合、現状維持を選ぶと心身の不調がさらに悪化するリスクがあります。体や心の調子が悪くなると、日常生活だけではなく、今後の転職活動にも支障を来す可能性が高いです。その結果、転職がさらに難しくなることも考えられます。

スキルアップ・キャリアアップのチャンスを逃すリスク

「やりたい仕事を任せてもらえない」「今の職場ではこれ以上のキャリアアップが望めない」などの不満を抱えている場合、転職が遅れるほどスキルアップやキャリアアップのチャンスを逃す可能性が高くなります。

看護師としてのスキルをより磨きたい、もっと上のポジションを目指したい場合は、早めに転職した方が目標を達成しやすくなるでしょう。

年齢が原因で転職に不利になるリスク

年齢を重ねると転職が不利になる可能性があります。これは、病院ができるだけ長く勤務できる看護師を優先的に採用する傾向があるためです。少しでも採用される確率を高めたいのなら、転職を考え始めた段階で、早めに行動に移した方が良いでしょう。

看護師が転職をめんどくさいと感じるときの対処法

転職をめんどくさいと感じたら、モチベーションを高めるために、以下のような対処法を取ってみましょう。

転職したい理由をはっきりさせる

転職活動に対して積極的になれない場合は、転職したい理由をはっきりするところから始めましょう。「なんとなく転職したい」などの曖昧な理由では、転職に対するモチベーションが上がらず、面倒さが際立つためです。

まずは今の職場に対して感じている不満や問題をノートなどに箇条書きにし、次の職場を選ぶ基準をはっきりさせてみましょう。不満や問題を洗い出せば「やはり現状維持ではいけない」と自覚するきっかけにもなりますし、次の職場選びのポイントも明確になります。

転職活動を細分化してハードルを下げる

転職活動を細分化し、一つひとつのタスクに取り組むハードルを下げるのも有効な手段です。転職活動を全体像で捉えると、「やることが多い」「大変そう」と感じやすくなりますが、タスクを細分化すれば「これくらいならできそう」と感じやすくなり、心理的なハードルが下がります。

転職活動のプロセスをどれだけ細分化するかは自由ですが、一例を挙げると以下のようなステップになります

• 事前準備（自己分析やキャリアの棚卸しなど）
• 求人探し
• 応募書類の作成
• 面接対策
• 求人の内容の再確認と応募
• 志望先の研究、面接の準備
• 面接の実施

それぞれのタスクにどれだけの時間をかけるか、いつまでに完了させるかなどを決めておけば、よりスムーズにタスクをこなせるようになるでしょう。

めんどくさいと感じる理由を深掘りする

転職活動をめんどくさいと感じる理由は人によって異なります。まずは、自分にとって転職活動のどの部分が壁になっているのかを明確にし、深掘りしてみましょう。

例えば、求人探しや志望先の研究に十分な時間が取れない場合は、通勤時間などのすき間時間を活用する方法があります。また、応募書類の作り方が分からない場合は、テンプレートやツールを利用すると良いでしょう。

このように、めんどくさいと感じる原因がはっきりすれば、具体的な対処法も見つけやすくなります。

看護師専門の転職のプロに頼る

転職活動全般がめんどくさい場合は、看護師専門の転職エージェントやアドバイザーからサポートを受けられる転職サイトを利用して、プロに頼るのがおすすめです。転職エージェントを利用すると、担当者が自己分析から求人探し、志望先の情報集め、応募書類の作成、面接対策、スケジュール調整など、転職活動を全面的にサポートしてくれます。

特に求人探しでは、一般には公開されていない非公開求人を紹介してもらえることがあるため、自分の希望に合った職場を見つけやすくなるでしょう。プロのサポートを受けることで、一人で転職活動を行うよりも効率的かつ有利に進められるため、多忙な看護師にとっては大きなメリットとなります。

看護師が転職するときの基本的な流れ

看護師がニーズに合った職場へスムーズに転職するためには、基本的な流れを押さえておく必要があります。

ここでは看護師が転職する際の具体的なステップと、それぞれのポイントをまとめました。

1. 自己分析を実施する

自己分析とは、これまでのキャリアや経験、スキルの棚卸しを行い、自分の強みや適性を把握する方法です。

強みや適性が明らかになれば、どのような職場が自分に合っているのか、応募書類や面接でどういった点をアピールできるのかが自ずと見えてくるため、求人探しや書類の準備がスムーズに進みやすくなります。

また自身の適性が分かれば、今後どのようなキャリアを目指していくべきかを判断できるようになるため、キャリアプランの検討にも役立つでしょう。自己分析のやり方や具体的な流れについては後述します。

2. 情報集め・求人探し

自己分析の結果を基に、求人に関する情報を集め、その中から自分に合った求人を探し出します。例えば、自己分析で洗い出した自分の強みや弱み、譲れない条件、将来希望するキャリアなどを基に検索すれば、求人をある程度絞り込めます。さらに、絞り込み検索でヒットした求人について、職場環境や業務内容、待遇などをリサーチすれば、さらに志望先を厳選できるでしょう。

情報集めを行わずに転職した場合、転職後にミスマッチが起こる可能性が高まります。そのため、事前のリサーチが大切です。もし情報集めの時間が十分に取れない場合は、通勤時間などの隙間時間を利用して情報をチェックしたり、看護師向けのエージェントやアドバイザーがいる転職サイトを利用して、求人探しを代行してもらうのもおすすめです。

3. 書類の準備・応募

応募する病院が決まったら、履歴書や職務経歴書などの必要書類を準備します。

履歴書では志望動機と自己PRが特に重要な項目です。面接でもこの2つは重点的に質問されるため、具体的に分かりやすく記載するのがポイントです。自己分析の結果や転職する理由などをベースにすれば「なぜその病院を転職先に選んだのか」「どうして現在の職場を辞めようと思ったのか」「自分の強みやアピールポイントは何か」といった点を、順序立てて説明できるでしょう。

また職務経歴書には、これまで従事してきた業務の内容や役職などをできるだけ詳し

く記載しましょう。転職先で生かせるスキルや技術、知識については、職務経歴を基にした客観的な分析が大切です。準備が整ったら、求人に応募して書類を提出します。

4. 面接対策を行う

書類準備と並行して、面接対策も行いましょう。面接の基本的なマナーを押さえることはもちろん、採用担当者からの質問を予想し、適切な回答を準備しておくことも大切です。

質問内容は病院や採用担当者によって異なりますが、よくある例は以下の通りです。

• 自己紹介をしてください
• 当院を志望した理由は何ですか
• 転職の理由を教えてください
• これまでの経験やスキル、実績について教えてください
• あなたの強みを教えてください
• 当院でやりたいことや、今後のキャリアについて教えてください
• これまでの看護業務の中で、特に印象的だったエピソードはありますか
• 希望の配属先はありますか
• 夜勤・残業はできますか

これらの質問に対し、論理的で説得力のある回答を事前に考えておきましょう。また、上記以外の予想外の質問を受けることも十分に考えられます。そのような場合でも慌てず、事前に行った自己分析やキャリアの棚卸しの結果を基に、自分の言葉で自信を持って答えることが重要です。

なお、面接では採用担当者からの質問に答えるだけではなく、応募者が病院に質問できる「逆質問」の時間が設けられることがほとんどです。このとき「特にありません」と答えると、積極性や働く意欲が低いと受け取られる可能性があります。あらか

じめ質問したい内容を考えておくのがおすすめです。

ただし、病院のWebサイトなどを調べればすぐに分かる内容や、待遇に関する質問は避けましょう。代わりに、転職までにやっておいた方が良いことや、資格支援制度の詳細など、入職への熱意が伝わるような質問をすることが大切です。

5. 内定をもらったら、退職の意向を伝える

無事に内定をもらったら、現在の職場に退職の意向を伝えましょう。看護師不足が続いているため、現在の職場から「考え直してほしい」と引き留められるかもしれません。しかし、ここで迷ってしまうと退職手続きがスムーズに進まなくなる可能性があります。退職の意思は、毅然とした態度ではっきりと伝えることが大切です。

なお、退職するまでには業務の引き継ぎや退職届の作成・提出などの手続きが必要です。円満退職をするためにも、最後まで気を抜かずに仕事に取り組みましょう。

転職を目指す看護師の自己分析の方法

転職を目指す看護師の自己分析の方法を、具体的な流れに沿って4つのステップで解説します。

1. 過去を振り返る

まずはこれまで体験・経験してきたことについて、過去を振り返ってみましょう。その中で得られたスキルや知識、実績などをノートに箇条書きにしていくと、自分のスキルや知識を生かせそうな職場を見つけやすくなります。また、面接で自分をアピールする際にも、より説得力を持たせられます。

なお、スキルに関しては資格や検定など形のあるものに限りません。例えば、プリセプター制度でチームリーダーとして働いたことにより、

る力が身に付いた、なども立派なスキルだといえます。

2. 強みや弱み、やりがいなどを整理する

自分の強みや弱み、やりがいを感じるポイントなどを整理しましょう。

強みに関しては、仕事がうまくいったときや、誰かに褒められたときに自分がどのような行動をしたかを振り返るのがおすすめです。例えば、患者さんの話にしっかり耳を傾けた結果、冷静に状況を判断できたと感じた場合は、ヒアリング能力や判断力が自分の強みだと考えられます。また、仕事でやりがいを感じた場面があれば、その内容を具体的に書き出しておきます。

一方で、弱みを見つける際には、苦手だと感じることや、これまでに注意された経験を振り返ってみましょう。例えば、急患が続いたときにミスをしやすい場合は「忙しい状況で焦りやすい」という傾向があると考えられます。

これらの要素を洗い出せば、自分に合った職場や、逆に自分に合わない職場が明確になり、求人探しの際の基準として活用できます。

3. 現在の職場の良いところ、悪いところを整理する

現在勤務している職場について、良いところと悪いところの両方を整理します。良いところが分かれば、志望先の病院と比較して転職した方が良いのかどうかを判断する基準になります。また、悪いところが分かれば転職の理由がはっきりするため、転職活動へのモチベーションも高まるでしょう。

4. キャリアプランを考える

これまでのステップで明らかになった要素を基に、自分の将来のキャリアプランについて考えてみましょう。

将来のビジョンが明確になると、求人を探す際に「自分が希望するキャリアをかなえられるか」を判断基準の一つにできるため、より効率的に求人を絞り込めるようになります。

看護師が転職する方法

看護師が転職する方法は複数あります。それぞれ特徴やメリットに違いがあるため、どの方法が自分に適しているのか慎重に見極めましょう。

以下では看護師の主な転職方法を3つご紹介します。

病院・クリニックのWebサイトから応募する

看護師を募集している病院・クリニックのWebサイトに掲載されている採用ページから直接応募する方法です。

病院・クリニックの中には、求人サイトに求人情報を掲載していないところもあります。そのため、応募したい病院やクリニックがある程度決まっている場合は、各施設の採用ページから直接申し込んでみても良いでしょう。Webサイトから直接応募することで、「志望度が高い」という印象を持ってもらいやすくなり、転職活動を有利に進められる可能性があります。

ただし、志望先が決まっていない場合、一つひとつのWebサイトを巡って応募するのは効率的ではありません。また、施設の中にはすでに募集を終了しているにもかかわらず、古い募集情報を掲載し続けているところもあるため注意しましょう。

ハローワークやナースセンターを利用する

ハローワークやナースセンターを利用して求人を探す方法です。

ハローワークとは、厚生労働省が全国に設置している公共職業安定所で、就職・転職を目指している方に対して職業紹介や求職相談などを行っています。

一方のナースセンターは看護職の確保や就業促進を目的としていて、看護師向けに職業紹介および相談の受付を行っている施設です。

どちらも無料で利用でき、担当者が求職者の希望や要望に合わせて求人を紹介してくれるため、求人探しの手間を省けます。公的なサービスであるため、安心感を持って利用できるところがメリットです。ただし、民間サービスに比べるとサポートがやや少ないため、初めて転職する方は不便を感じるかもしれません。

これらのサービスは、ある程度自分で求人を見極める自信がある方に向いていると考えられます。

看護師専用の転職サイトやエージェントサービスを利用する

看護師専用の転職サイトには、看護師のみを対象とした求人が多数掲載されています。

業種を問わない一般的な求人サイトと比べて専門性が高いのが特徴です。勤務地だけではなく、保有資格（看護師、准看護師、助産師など）や勤務形態（常勤、夜勤なし、夜勤専属など）などの条件で求人を絞り込んで検索できます。さらに、気になる求人があれば、そのままWebサイト上で応募できるため、求人探しから応募までをスムーズに進められます。

なお、求人探しだけではなく、書類の準備や面接対策、面接スケジュールの調整などのサポートも受けたい場合は、エージェントやアドバイザーに相談できる転職サイトを利用しましょう。エージェントやアドバイザーは転職のプロフェッショナルであり、利用者一人ひとりの要望やニーズに合わせて、適した求人を提案してくれます。

さらに、採用担当者の目に留まりやすい書類の書き方を教えてくれたり、効果的な面接対策を実施したりしてくれるため、一人で転職するよりも有利に活動を進められるでしょう。

転職がめんどくさいと思ったら、看護師専用の転職エージェントを利用しよう

転職はさまざまな準備や手続きが必要なため、多忙な毎日を送る看護師にとってはハードルが高いと感じることもあります。そのため、「めんどくさい」「やる気が出ない」と感じる方も多いです。しかし、転職を先延ばしにすると、将来的にキャリアチェンジが難しくなったり、スキルアップの機会を逃したりする可能性があります。特に、現在の職場が原因で心身に不調を感じている場合は、症状の悪化を防ぐためにも、できるだけ早く転職活動を始めた方が良いでしょう。

看護師の転職にはさまざまな方法があります。求人探しや書類の準備、面接対策がめんどくさいと感じる方には、プロのサポートが受けられる転職サイトの利用がおすすめです。PITAWORK（ピタワーク）では、エージェントやアドバイザーからのサポートが受けられる複数の転職サイトを、ランキング形式で紹介しています。

それぞれのサイトについて、対応エリアや求人職種、非公開求人の有無、特徴などを分かりやすく掲載しています。そのため、転職サイト選びに悩んでいる方におすすめです。気になるサイトがあれば、そのまま登録もできます。転職活動がめんどくさいと感じている看護師の方は、ぜひPITAWORK（ピタワーク）を活用して、自分に合った転職サイトを見つけてみてください。